お知らせ・活動報告
「新たな総合計画策定にかかわる要望」を実施
現在熊谷知事の下、新たな総合計画策定に向けての作業が進められています。
私ども会派では新たな総合計画策定にあたり、10年後の千葉県の姿について、SDGsやカーボンニュートラルといった国際的課題と県政全般の政策課題を照らし合わせながら議論してまいりました。
その集約結果については、県が8月6日付で公表した骨子素案に示されている「基本理念」「基本目標・目指す姿」6項目とほぼ同様の政策ビジョンであることを確認したところであり、新知事の大きな政策の方向性に異論はありません。
一方、今後の策定プロセスや手法等につきましては、当会派として提案を含めた要望事項がありますので、以下のとおり要望をし、政策企画課の職員と意見交換をいたしました。
要望1 総合計画懇談会の下に分科会(政策ワーキンググループ)を設置し、
県民の叡智を結集すること
〇総合計画は、10年後の千葉県のあるべき姿とこれを達するための目標と政策の方向性を定める県政全般に関する最上位計画である。と同時に、県行政のみに留まらず、全ての県民・事業者・市町村等多様な主体が共通の目標と課題意識を持ち、互いに協力し合いながら実現に向けて進めていくべきものとの考えから、全ての主体が自分ごととして総合計画を捉えることができるような策定プロセスが望ましいと考える。
〇総合計画策定懇談会は20名の委員構成となっているが、有識者が大半を占め、県民の意見反映を十分に行うことは難しいと考える。また、県民への意見募集やパブコメ実施による広聴は極めて限定的であることから、政策ビジョンごとの分科会を設置し、分野ごとの当事者・県民の意見反映を行っていただきたい。
要望2 「県づくりの方向性」を議論するため、知事と54市町村首長との意見交換の場を設けること
〇計画骨子素案に「県づくりの方向性」として県内6ゾーン(地域特性等を踏まえた6つのゾーン)が設定されているが、そのエリア分けが当該自治体にとって妥当と捉えられるのかは疑問である。また方向性についても明示されていないことから、県と市町村との情報共有・意見交換を丁寧に行う必要があると考える。
要望3 庁内における部局横断的な議論を十分に行うこと
〇施策横断的な視点の中にSDGsやカーボンニュートラルに向けた取り組みが位置付けられているが、現段階において部局横断的な議論が十分になされているとはいえない。
〇例えば、新たな産業創出に向けての産業人材の育成については、商工労働部や教育庁との間で部局横断的・長期的ビジョンの議論がなされていないなど、従来の縦割り行政の枠が取り払われていないと感じる。
〇庁内での部局横断的な議論を進めるため、要望1に示した分科会(政策ワーキンググループ)の事務局を部局横断的に担うことも検討していただきたい。
要望4 県内のゾーン分けの在り方とその目的について再検討すること
〇これまでの総合計画では千葉県を5つにゾーン分けして、①ゾーンの現状・特性、②地域の主な方向性を示し取り組んでいたようだが、地域課題の抽出の弱さやゾーンとしての取り組みの効果などについて疑問があった。本来であれば、構成する地域の市町村単位に現状分析と課題の抽出を行い、政策課題を明確にしたうえで、地域毎の取り組みの方向性を示すべきではなかったのか。またその評価を行いフォローが必要であったと思う。
〇新総合計画では、要望2の首長との懇談や要望4に示す地域の現状把握により地域毎の政策課題を整理し明確にしたうえで、必要によりゾーン分けを行い、県としての取り組みの方向性を示すべきである。
〇併せて地域毎のゾーン分けの必要性とその目的及び効果について再検討するとともに、新たなゾーン分けとして個別の政策テーマ等による地域分けも検討していただきたい。
要望5 計画骨子案公表と同時に、現在の千葉県の状況を示す数値・データ等を公開すること
〇千葉県の現状を県民・事業者・市町村等がしっかりと把握し、理解することが重要と考える。千葉県の状況を示すデータやエビデンスに基づき広く議論を喚起していただきたい。
要望6 EBPM(エビデンス・ベースド・ポリシー・メイキング)に則った政策立案、データ・エビデンスに基づく評価指標の位置付けなど、客観性に基づく計画とすること
〇長野県「しあわせ信州創造プラン2.0」における政策提言AI導入など先進事例に学び、AI活用を検討していただきたい。
◯千葉県の発展に資する事業・取組の優先順位と実施する順番を正しく評価し、その理由を県民等に対ししっかりと説明する必要がある。
〇毎年度のPDCAサイクルを回しながら次年度以降の事業実施に生かしていくためにも、目標の設定をできるだけ数値化するよう努力し、事業の進捗や目標に対する達成度をより具体的にわかりやすく表現することにより、県民等の協力をより得られる総合計画の策定を目指していただきたい。